鉄板やスキレットを使って、美味しいキャンプ飯を作りたい方へ
今回は鉄板やスキレット等、鉄製品を使う上で欠かせない“シーズニング”の解説記事になります。
シーズニングってなんだか面倒くさそう…。
と、思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
実際、私がそうでした。シーズニングをするのが億劫で、1年以上 鉄板やスキレットを使わずキャンプを続けてきました…。
実際やってみると、基本は手順に沿って作業するだけなので簡単でした。
シーズニングに悩んで、鉄製調理器具を使わないのは勿体ない!!
是非皆さんにも挑戦して頂き、鉄板で美味しい肉を焼いてみて下さい!
シーズニングとは?
簡単に説明すると、鉄を油の膜でコーティングする事です。
鉄板を油の膜で保護する事によって『焦げない・サビない・美味しく焼ける』使いやすい鉄板が完成します。シーズニングした鉄板は使えば使うほど馴染むので、自分だけの鉄板を育てる楽しみを味わえます。
シーズニングしないとどうなる?
- サビやすくなる
- 鉄板に料理の匂いが残る
- 食材が焦げ付きやすくなる
- 料理に薬品の匂いが移りマズくなる
この様にシーズニング無しの鉄板では、せっかくの料理が台無しになってしまいます。
これは表面に油の膜ができていない為、食材が焦げ付いたり臭いが残りやすくなってしまうから。
油膜にはサビ止め効果もあるので、鉄板を快適に使う為、美味しい料理を作る為にもシーズニングは必ず行うようにしましょう!
シーズニングをしないと、鉄板表面に塗られた薬品が料理に移って『臭くてまずい…』なんてことに。
シーズニングの失敗例を2つ紹介
シーズニング時に油の量が多すぎた失敗
この写真はシーズニング失敗例の一部。
- 左は中央のコーティングが剥がれた物。
- 右が油を塗った所にムラができています。
これはどちらも油の量が多過ぎて均等に塗れなかった場合に起こります。
こうなってしまったら、使いながら馴染んでいくのを待つか、タワシ等で擦ってやり直すか必要があります。
ただ使う内に馴染むので、そこまで気にする必要はありません。
シーズニングが不十分なまま使い続けた失敗
こちらはシーズニングが不十分のまま使い続けた”笑sB6君”鉄板プレートです。
この状態で料理をすると食材が鉄臭くなりますし、焼いている時に焦げ付きます
赤錆まみれ…これで食材を焼いて食べるのは嫌ですね
この錆はクエン酸等に浸して綺麗にするか、ステンレスタワシで擦って地道に落とすしかありませんがそれも結構大変です。
こうならない為にも、しっかりシーズニングを行いましょう!
鉄板のシーズニングの方法、手順を解説
用意する物
シーズニングの際、用意する物がこちら。どれも家庭の台所にありそうな物なので、特別な道具は不要です。
シーズニング手順を解説
シーズニングの手順とは?
ひとつづつ順番に解説していきます。
※作業中、大量の煙が発生するので屋内で作業する場合は換気扇の準備をしましょう。風通しの良い野外が最も安全です。
1.鉄板を洗剤でよく洗う
鉄板を洗剤とスポンジで洗う
これは表面に塗られている薬品を落とす為の作業。
タワシ等で擦ると鉄板表面が傷付くので、柔らかいスポンジで行いましょう。
洗ったあとは洗剤が残らない様、水でよく洗い流して下さい。
2.水分が十分に蒸発するまで火にかける
洗剤を洗い流したら、バーナーで熱して水気を飛ばす
ある程度 水気を拭き取った後、バーナー等にかけて完全に乾かします。
水分が残っていると、次の工程で水と油が反発してムラが出るので注意。しっかり乾燥するまで火にかけましょう。
3.全体に食用油を塗る
少量の食用油(オリーブオイル・サラダ油)を垂らし、鉄板全体に薄く塗る
乾いた鉄板に油を垂らします。これはスプーン一杯分程度の量でokです!
量が多いとムラが出やすく、失敗の原因になります。
垂らした油をキッチンペーパーに染み込ませ、鉄板全体に薄く伸ばしながら塗っていきます。
側面・裏面にも同じ様に塗ります。シーズニングは表面だけやれば十分ですが、始めと最後の仕上げだけ全体に塗ると、サビ止め効果・色の統一感も出てキレイな仕上がりになります。
4.火にかけて空焚きをする
火にかけて、煙が出なくなるまで空焚きする
空焚きすると徐々に鉄板表面が黒く変色します。
バーナーの火力にもよりますが、加熱時間は約5〜10分ほど。
加熱中、大量の煙が発生しますが、徐々に収まるので根気よく熱し続けて下さい!
5.煙が出なくなるまで加熱したあと自然に冷ます
煙が収まったら、火を消して自然に冷めるまで待ちましょう。
私は鉄板の上に手をかざし、熱気を感じないかでチェックしました。
温度確認の際は火傷する恐れがあるため、冷めたと確信できるまで触れないようご注意下さい。
鉄板の厚みにもよりますが、冷めるまで結構時間が掛かります。
6.油を塗る→空焚きを3~5回くり返す
油を塗って空焚き→自然に冷ます
鉄板が触れる程度まで冷めたら、もう一度油を塗ります。
先程と同じように、薄く伸ばしながら鉄板表面に塗っていきましょう。
油を塗ったら再度 空焚きして冷ます。これを最低3〜5回、繰り返し行います。
この作業は、回数が増えるほど鉄板がコーティングされていくので何度やってもOK!
皆さんが納得できるまで繰り返して大丈夫です!
7.野菜くずを炒める
野菜くずを炒める
※野菜くずを用意できない方は省略してもOK。最初に作る料理が鉄臭くなるかもしれませんが、使う毎に落ち着くのでご安心ください。
これは鉄臭さを取り除くためと、野菜の油分で更に鉄板を馴染ませるための作業になります。
目安は野菜くずに軽く焦げ目が付くまで。玉ねぎ・ニンジン・ジャガイモの皮等、なんでも可。
炒め終わったら野菜くずは取り除きましょう。
8.全体に油を薄く塗り完成!
鉄板(表面・側面・裏面)に薄く油を塗ってシーズニング完了
野菜くずを炒めたあと、鉄板が冷めたら最後に全体に薄く油を塗ってシーズニング終了となります。
- 洗剤でコーティングを落とす
- 洗い流して水気をバーナーで飛ばす
- 鉄板全体(側面・裏含む)に薄く油を塗る
- 煙が出なくなるまで空焚きして冷ます
- 塗る→空焚き→冷ますを3〜5回繰り返す
- 野菜くずを炒めて鉄板を馴染ませる
- 全体に薄く油を塗ってシーズニング終了!
要約するとこんな感じ。ここまでお疲れ様でした!
シーズニング前後を比較すると、ここまで色が変わります!
ここから更に使い込んでいくと、どんどん黒光りしていき『ブラックポット』と呼ばれる状態になります。この状態まで育て上げれば、一生使える頼もしい鉄板に!
是非、皆さんも自分だけの鉄板を育ててみて下さいね!
鉄板を使った後のお手入れ方法を解説
鉄板調理を楽しんだ後は、簡単なお手入れが必要です。
シーズニングとは最初に行う作業としてだけでなく、このお手入れによって繰り返されるものとも言えます。
- 油膜が剥がれて食材が焦げ付く
- 食材の水分で鉄板が錆びる
手入れを怠るとシーズニングをやり直す事になります…。
鉄板は時間を掛けて馴染んでいく道具なので、必ずお手入れする様にしましょう!
お手入れ前のチェックポイント
やり方自体はとっても簡単!ただし、作業する前に注意するべき事が3つだけあります。
お手入れ前の重要ポイント
- 洗剤を使わない事
- 鉄板は十分に冷めている事
- 硬いタワシは使わない事
理由はそれぞれ以下の通り
- 洗剤の成分でコーティングが剥がれる
- 無理やり冷やすと割れる恐れがある
- 硬いタワシで擦るとコーティングが剥がれたり傷が付く
この3つだけ注意してお手入れしましょう!
鉄板のお手入れ手順を解説
一般的なお手入れ方法と、フチ有り鉄板のラクなお手入れ方法を2つ紹介します。
一般的な鉄板のお手入れ手順
一般的な鉄板のお手入れ方法はこちら。
- 水とスポンジで汚れを洗い流す
- バーナーで空焚きして水分を飛ばす
- 鉄板(表面・側面・裏面)に油を塗る
1.スポンジを使って水洗いする
※目立つ汚れや焦げがある場合、ヘラ等で削ぎ落として下さい。
2.空焚きして水気を飛ばしたあと冷ます
3.鉄板全体に薄く油を塗る
以上です!これが一般的なお手入れ方法になります。
フチ有り鉄板やスキレットのラクなお手入れ方法
フチ有り鉄板やスキレットをお使いの方は、こちらがラクでオススメです。
フチ有り鉄板は水を張って沸騰させるだけで、みるみる汚れが浮いていきます。
あとはヘラ等を使って汚れを削ぎ落とすだけ!水や油汚れはキッチンペーパーに染み込ませながら拭き取って下さい。
水気が無くなるまで加熱したら、鉄板全体に薄く油を塗ってお手入れ完了です。
水を貯める事ができる鉄板やスキレットならこちらがオススメ。私は基本この方法でお手入れしています。
鉄板の使用後は、このどちらかの手順でお手入れすると油膜が剥がれず安心して使えます。
お手入れの説明は以上になります。
今回、シーズニングした鉄板は”FUTURE FOX鉄板”
他にも、現在愛用中の“F&C黒皮鉄板”も同じ手順でシーズニングしました。
どちらもソロ鉄板を検討中の方へオススメ!この2つはレビュー記事も作成しているので、合わせてご覧頂けると嬉しいです!
両鉄板を記事の手順でシーズニングし、全く焦げ付かない鉄板になりました。
まとめ:鉄板のシーズニング手順を解説 失敗しない基本のやり方とは?
以上が基本的なシーズニングの方法になります。
鉄板やスキレットを使う上で欠かせない“シーズニング”
はっきり言って面倒な作業。とはいえ、鉄板を使いながら手入れとして繰り返す内に楽しく思えてくる筈です。
初めは手順が多く見えて、できるか心配になるかもしれませんが、一枚の鉄を自分の手で作り上げる感覚(愛着)を是非皆さんにも味わって頂ければと思います!
以上、”鉄板のシーズニング方法の解説“記事でした。
シーズニングさえ覚えれば、あらゆる鉄製調理器具を扱えます!
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